
2019年04月29日 更新
【ミノキシジル・プロペシア・ザガーロ】あなたに合ったAGA治療薬の選び方
AGA治療や新薬の開発が積極的に行われる一方、科学的根拠の薄い治療薬が広まっています。AGA治療薬の中から、自分の症状にあった薬を選ぶためにどうすればいいのか、AGAに効果的な治療薬とその選び方をまとめました。
AGAに有効な治療薬「ミノキシジル」「プロペシア」「ザガーロ」

AGA治療に有効な治療薬は、ミノキシジル、プロペシア、ザガーロの3種類です。
日本皮膚科学会と毛髪科学研究会は2017年、AGA治療に関するガイドラインを作成しました。
そのガイドラインにおいて、ミノキシジル外用液とプロペシア、ザガーロは、男性型脱毛症の第一選択薬として強く推されています。
ガイドラインについて詳しく知りたい人はこちら
科学的根拠に基づいた正しい薄毛治療がわかる「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」
ミノキシジル:血管拡張のために開発された医薬品がAGA治療薬に
ミノキシジルは元々、血管拡張のためにアメリカで開発された医薬品。
服用のデータを採取していくにあたり、毛量の増量という副作用が発見され、1980年代に世界初の脱毛症の治療薬として誕生しました。
そして現在、世界各国で使用されているポピュラーなAGA治療薬の1つに。
「日本で唯一の発毛剤」でお馴染み、リアップに含まれる成分もこのミノキシジルです。
プロペシア:前立腺肥大症改善のために開発された医薬品がAGA治療薬に
プロペシアは、「プロスカー」という前立腺肥大・前立腺ガンの症状を緩和させる医薬品をベースに開発されたAGA治療薬です。
プロスカーに含まれるフェナステリドという成分の副作用として、毛量増加が確認され、フェナステリドの効果を活かしたAGA治療薬の開発が進み、1997年にプロペシアが誕生したのです。
ザガーロ:2016年6月に国内で認可された期待の新薬
ザガーロは、3つの治療薬の中では、最も歴史の浅い医薬品です。
ザガーロの主成分であるデュスタリドは、プロペシアと同様に、前立腺肥大・前立腺ガンの症状を緩和させる効果があります。
副作用として増毛の兆候が認められ、AGA治療薬として開発されました。
ミノキシジル、プロペシア、ザガーロの仕組み

「ミノキシジル外用液」「プロペシア」「ザガーロ」それぞれの効果を、脱毛のメカニズムと併せて紹介します。
ミノキシジル外用液:血管拡張により頭皮の細胞が活性化。その結果太く強い髪へ!
ミノキシジルは、頭皮の血管を拡張させる働きを持ちます。
血管が拡張されると、髪の毛の成長に関わる毛母細胞の細胞分裂が活性化し、太く強い髪が作られるのです。
髪の毛の根元には、毛頭と呼ばれる丸く膨らんだ部分があります。
その毛頭の中に毛母細胞があり、毛母細胞の細胞分裂によって髪の毛は成長していきます。
毛母細胞の機能が正常に働かないと、細胞分裂が十分になされないため、短く細い髪の毛が増えてしまいます。
そこでミノキシジル外用液を使うことで血流がよくなり、毛母細胞へ十分な栄養を送ることができるため、その結果太く強い髪が生えてくるようになるのです。
プロペシア:抜け毛の原因となる悪玉ホルモンを抑制する!
プロペシアは、抜け毛の原因となる悪玉ホルモンの増殖を防ぐAGA治療薬です。
それではここから、髪の毛の生える仕組みを説明しながら、プロペシアの効果を解説していきます。
男性ホルモンのテストステロンと、テストステロンの効果を強める「5αリダクターゼ」と呼ばれる還元酵素が結合することによって、ジヒドロテストロン(DHT)という脱毛を促す悪玉ホルモンが形成されます。
このジヒドロテストステロンの増加が「抜けやすい」環境を作っているのです。
プロペシアは、5αリダクターゼの活動を阻害する治療薬。
プロペシアを服用することで、ジヒドロステロンの生成は抑えられ、「抜けにくい」環境を作ってくれます。
ザガーロ:2種類の5αリダクターゼの結合を防ぐ!
ザガーロも、フィナステリドと同じく、5αリダクターゼ阻害薬に分類される薬です。
2015年6月に厚生労働省の認可がおり、医薬品として使用されるようになりました。
ザガーロも、フィナステリドと同じく、5αリダクターゼの働きを阻害する治療薬です。
大きな違いは、フィナステリドがカバーできない、「5αリダクターゼ1型」の働きも阻害してくれる点です。
5αリダクターゼには、「5αリダクターゼ1型」と「5αリダクターゼ2型」の2種類が存在します。
1型は全身の皮脂腺に分布し、2型は前頭部や頭頂部に多く分布しています。
フィナステリドは2型の活動を阻害することはできましたが、1型の活動を阻害する効果はわずかしかありませんでした。
ザガーロは2型のみならず、1型の活動も阻害する効果があります。
また、2型が持つ効果はフィナステリドの3倍という結果もあり、AGA治療薬の中で現在注目を集めている薬です。
忘れてはいけないAGA治療薬の副作用

どんな医薬品にも少なからず副作用があり、それはもちろんAGA治療薬でも同様です。
副作用の発生率は数%未満であるものの、発生には個人差があるため、必ず医師との問診を通して、医師に勧められた治療薬を服用するようにしてください。
では、ミノキシジル外用液、プロペシア、ザガーロの副作用について見ていきましょう。
ミノキシジル外用液の副作用:皮疹や発赤、かゆみなどの皮膚のトラブル
ミノキシジル外用液で一番多く現れる副作用は、皮疹や発赤、かゆみなどの頭皮のトラブルです。
ミノキシジルを配合する溶液が肌に合わないと、アレルギー反応が現れ、頭皮の「かゆみ」を引き起こします。
ミノキシジルは頭皮のかゆみ以外にも、ニキビを発生させたり、倦怠感を感じさせるといった副作用も。
掻きむしってしまうと、頭皮が炎症を起こし、髪の毛が生えにくい環境を形成されてしまうおそれもあります。
プロペシアの副作用:性欲減退・勃起機能障害
プロペシアで多く見られる副作用として、性欲減退が挙げられます。
1%未満の確率で、勃起機能障害、精液量の減少や肝臓機能の低下なども副作用として現れるとも。
また、プロペシアを妊婦に投与すると、プロペシアの薬理作用により男子胎児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼすおそれがあります。
プロペシアは皮膚からの吸収もなされるため、取り扱いは注意が必要です。
通常、プロペシア錠剤は表面がコーティングされており、割れたり砕けたりしない限りは有効成分に接触することはありません。
ザガーロの副作用:性欲減退・勃起機能障害
ザガーロも性欲減退、勃起機能障害を引き起こすといった、プロペシアと同様の副作用が確認されています。
精欲減退が副作用として発生する割合は利用者の3.9%、勃起機能障害の発生は4.3%、精液量減少の発生は1.3%です。
ザガーロも妊婦が服用すると、男子胎児の生殖器官の発育に影響するおそれがあります。
AGA治療薬を入手する際の注意点

現在AGA治療薬は、インターネットなどを通して、手軽に個人輸入で手に入れることができるようになりました。
個人輸入は病院に行く時間もコストもかからないメリットはありますが、安全性や確実性に欠けるというデメリットも存在します。
そこで、自分に合ったAGA治療薬を見つけるための注意点をまとめました。
AGA治療薬は必ず医師の処方のもと服用すること
AGA治療薬を手に入れる際は、医師からの処方をおすすめします。
医師による検診がないと、自分の症状を正確に把握することができず、最大限の効果が期待できるAGA治療薬を見つけられないためです。
また、AGA以外の症状で服用している薬がある場合、AGA治療薬と併用することによって予期せぬ副作用が現れる場合があります。
必ず医師との問診を通して、自分に最も適した治療薬を見つけましょう。
個人輸入によるAGAジェネリック薬品の服用は危険!
価格の安さから、AGA治療のジェネリック医薬品を個人輸入する人も多くいます。
しかし、市場に流通するジェネリック医薬品の中には、日本で安全性が確認されていない成分が含まれていることも。
また、個人輸入業者を通して、海外のジェネリック医薬品を取り入れることもおすすめできません。
海外のジェネリック医薬品の中には、成分が安定していないAGA治療薬の偽物が多く出回っています。
海外製のジェネリック医薬品の個人輸入は、偽物を買わされることがある上、健康被害のリスクも高く、非常に危険です。
個人輸入目的にジェネリック医薬品を調べてみると、価格の安さや即効性に目を奪われ、本当に自分に効果的な治療薬であるかの判断が鈍ってしまいます。
本当に効果があるのか確信を持てない薬を使うより、クリニックで処方してもらったジェネリックを使う方が、安心安全かつ短期間で育毛効果を実感できます。
AGA治療は、「急がば回れ」が基本です。
AGA治療薬は専門クリニックで処方してもらおう

AGA治療に効果的な治療薬は、ミノキシジル、プロペシア、ザガーロの3つです。
それぞれ育毛の仕組みは異なり、副作用も発生も個人差があります。
現在は安価なジェネリック医薬品がネット上で購入することができますが、中には偽物も多く、自分の症状にあった最も効果的な治療薬を選ぶためには正しい知識が必要です。
効果のない偽物を使い続けるよりも、AGA治療の専門クリニックで処方される治療薬を使うことで、より短期間で、安価で効果を実感することができます。
まずは一度、AGA治療の専門クリニックに足を運び、医師と共に自分に合った治療薬を見つけることから始めましょう。