
2018年08月09日 更新
「毛が生える」とは書いてない? 育毛シャンプーの本当の話
薄毛が目立ってきて、慌てて育毛シャンプーを買うその前に、育毛シャンプーのパッケージを隅々まで見てみましょう。「毛が生える」なんて、どこにも書いていないはずです。育毛シャンプーの発毛効果は保証されていないのに、なぜ売れるのでしょうか。育毛シャンプーが持つ効果を説明します!
【本当の話】そもそも育毛シャンプーって?

育毛シャンプーは「育毛しやすい頭皮環境」を作るもの
すっかり寂しくなってしまった頭を撫でながら、「これを使って髪を生やそう」と期待して、育毛シャンプーを購入する人がいるかもしれません。
しかし残念ながら、育毛シャンプーを頼っても、ヘア充にはなれないのです。
少しショックかもしれませんが、育毛シャンプーに関する本当の話をお伝えしましょう。
育毛シャンプーに、髪を生やす成分は含まれていない
事実として、育毛シャンプーに髪を生やす成分は一切含まれていません。
しかし、育毛シャンプーは全く無意味だから買うべきではない、と言うわけではありません。
育毛シャンプーは、「育毛しやすい頭皮環境」を整えるという場面で力を発揮するのです。
育毛シャンプーは、頭皮の皮脂量を適度に保ってくれる

一般的なシャンプーよりも、やや値の張ることが多い育毛シャンプー。
高い育毛シャンプーを買うなら、高いなりの効果を発揮してもらわなければ困りますよね。
育毛シャンプーが持つ効果とは、頭皮の皮脂を適切な量に保ってくれることなのです。
低刺激の界面活性剤を使っているので、頭皮を守るために必要な皮脂を落とさない
育毛シャンプーの特徴は、頭皮に優しい低刺激な成分で作られていることです。
刺激の程度は、シャンプーに含まれる洗浄成分「界面活性剤」によって決まります。
安く手に入るシャンプーの中には、頭皮に強い刺激を与える「高級アルコール系」の界面活性剤が使われているものがたくさんあります。
高級アルコール系の界面活性剤は、泡立ちがよく、頭皮や髪の皮脂汚れを落としやすいのが特徴です。
しかし、洗浄力が強すぎるあまり、頭皮を紫外線や乾燥から守るために必要な皮脂まで洗い流してしまうことがあります。
適度に皮脂が残っていないと、紫外線や乾燥によるダメージを受けやすくなってしまうため、洗いすぎもよくないのです。
一方で、育毛シャンプーの多くは低刺激のアミノ酸系の界面活性剤を使っていることが多いため、適度に皮脂を残してくれます。
余分な皮脂はしっかり落とし、フケ対策にも最適
頭皮に余分な皮脂が残ると、抜け毛が起こりやすい劣悪な頭皮環境を招きます。
また、頭皮の毛穴を詰まらせ、マラセチア菌と呼ばれる雑菌が繁殖して脂性フケを発生させたりします。
育毛シャンプーは、必要な皮脂だけを残しつつ、余分な皮脂だけを洗い流す効果があるのです。
なかでも、病院で処方される「ケトコナゾール」配合の育毛シャンプーは、マラセチア菌を抑制する効果を持ち、脂性フケ対策に最適。
乾性フケに悩んでいる人も、角質溶解成分や保湿成分を含んでいる育毛シャンプーを使えば、改善が期待できるかもしれません。
病院治療での育毛効果を最大化する、理想の頭皮環境って?

AGA(男性型脱毛症)による薄毛を治すためには、専門の治療を受けることが必要不可欠。
育毛シャンプーの使用だけで、薄毛が改善されることはありません。
しかし、治療による発毛・育毛効果を最大化する理想的な頭皮環境を作るために、育毛シャンプーを活用することはできます。
治療効果を最大にするためには、薄毛治療用の外用液が浸透しやすく、毛穴から新しい髪の毛が生えやすい頭皮環境が理想だと言えるでしょう。
育毛シャンプーで頭皮の汚れ(汗や皮脂)をしっかり落とす
頭皮環境を清潔に保つため、頭皮の汚れ(汗や皮脂)をしっかり落とす必要があります。
育毛シャンプーを使って毎日しっかり髪を洗い、余分な皮脂や、生活の中で付着した細かい汚れ、整髪料などを洗い流しましょう。
しかし、シャンプーは一日に1回で十分です。
育毛シャンプーと言えど、一日に何度もシャンプーすることは、頭皮が乾燥する原因になるため控えましょう。
育毛シャンプーとマッサージで、頭皮の血行をよくする
育毛シャンプーには、頭皮の血行をよくする成分を含んでいる製品もあります。
育毛シャンプーで髪を洗う際に、頭皮マッサージを行うと、血行をよくする効果をさらに高めることができるでしょう。
親指の腹を使い、耳の近くの生え際から中心に向かって円を描くように、30秒ほどかけて揉んでいきます。
頭皮の血行がよくなることで、髪の毛に必要な栄養が頭皮の隅々まで十分に行きわたり、効果を最大化できるのです。
育毛シャンプーの効果を最大限に活かすシャンプーの仕方

何も考えずにただシャンプーをするのではなく、育毛シャンプーの効果を最大限に発揮できるような方法でシャンプーをすれば、頭皮環境はもっとよくなります。
効果的なシャンプーのコツをご紹介しましょう!
今日から実践! 育毛シャンプーの効果を最大限に生かすシャンプーのコツ
- ブラッシング後、お湯でしっかりと髪の毛を濡らす
- 手のひらで泡立てたシャンプーを全体になじませる
- すすぎ残しがないよう、シャンプーをしっかり洗い流す
- ドライヤーでしっかり乾かす
効果的なシャンプー方法①:ブラッシング後、お湯でしっかりと髪の毛を濡らす
まず第一に、入浴前にしっかりブラッシングをして、表面のホコリを落とし、絡んだ毛を整えておきましょう。
ブラッシングしておくことで、お湯が毛髪全体に届きやすくなります。
そして、38度から40度くらいの熱すぎないお湯でしっかりと髪の毛を濡らしましょう。
シャンプーをする前にしっかりと髪の毛を濡らしておけば、ある程度の汚れが落ち、水分が頭皮に浸透するため、シャンプーの成分が馴染みやすくなるのです。
効果的なシャンプー方法②:手のひらで泡立てたシャンプーを全体に馴染ませる
シャンプーは、必ず手のひらでよく泡立ててから髪につけるようにしましょう。
直接つけてしまうと、髪の毛に強い刺激を与え、悪影響を及ぼします。
泡立てたシャンプーを、髪の毛全体、そして内側の頭皮まで十分に馴染ませます。
その際は、頭皮に爪を立てたり、ごしごしと強い力で激しく洗ったりしてはいけません。
優しく洗わないと、頭皮を傷つけたり、必要な皮脂まで洗い落としてしまう原因になります。
効果的なシャンプー方法③:すすぎ残しがないよう、シャンプーをしっかり洗い流す
全体を洗い終わったら、シャンプーをしっかり洗い流しましょう。
すすぎが足りないと、頭皮にシャンプーの成分が残り、雑菌が繁殖してしまいます。
シャンプー後のリンスやコンディショナーも、頭皮に残らないよう入念にすすいで洗い流すことが大切です。
効果的なシャンプー方法④:ドライヤーでしっかり乾かす
入浴が済んだら、ドライヤーでしっかりと乾かしましょう。
髪を自然乾燥させたり、濡れたまま放置したりするのはよくありません。
髪が濡れたままの時間が長いと、雑菌が繁殖するだけでなく、キューティクルが傷つく原因になります。
髪を乾かす際は、まずしっかりとタオルで水分を吸い取ってからドライヤーをかけましょう。
ドライヤーが近すぎると、熱が頭皮や髪の毛に悪影響を与えるので注意が必要です。
また、髪が乾いてからも不必要に熱風を当て続けて、髪の毛がパサパサになってしまうのもよくありません。
生乾きには気を付けつつ、いい塩梅を見極めてドライヤーをかけましょう。
育毛シャンプーを選ぶときに注目すべきポイントとは

育毛シャンプーにも色々な種類があるため、選ぶポイントが分からないと目移りしてしまいますよね。
製品ごとの異なる部分を知って、自分に合ったシャンプーを選べるようにしましょう。
育毛シャンプーの効果は、配合成分によって異なる
「高級だから」「育毛シャンプーだから」といって、どれを選んでも正解というわけではありません。
育毛シャンプーも種類によって、配合成分はさまざまです。
そして、配合されている成分によって効果は異なるので、自分の頭皮の状態や体質に合わせたものを選ぶ必要があります。
頭皮が乾燥しているか脂ぎっているか、今の状態に合わせて選ぶ
初めて育毛シャンプーを選ぶときは、頭皮が乾燥しているか、脂っこさが気になるか考えてみましょう。
それが、どんなシャンプーを選ぶかの決め手になります。
例えば、頭皮がカサカサしていて痒みがあり、パラパラと乾性フケが落ちてくるという人は、皮脂を落とし過ぎないアミノ酸系の育毛シャンプーや、角質溶解成分、保湿成分を含んだ育毛シャンプーを選びましょう。
逆に、頭皮が脂っこく感じ、髪もぺたんとしてボリュームがなくなってしまうという人には、石鹸系育毛シャンプーがおすすめです。
石鹸系育毛シャンプーを使うと少し髪の毛がごわごわするので、気になる場合は弱酸性のコンディショナーと併用してみるといいかもしれません。
脂性フケが気になる人には、ケトコナゾール含有の育毛シャンプーがおすすめ
ベタベタとした脂性フケが気になる人は、ケトコナゾールが配合された育毛シャンプーを使ってみましょう。
ケトコナゾールには雑菌の繁殖を抑える効果があるため、脂性フケの原因となるマラセチア菌の増殖を抑えてくれます。
日本では、ケトコナゾール配合のシャンプーは市販されていないため、AGA専門クリニックなどに行って処方してもらいましょう。
育毛シャンプーを選ぶポイントまとめ
- 髪の毛の乾燥が気になる人は、アミノ酸系育毛シャンプーや保湿成分を含んだものを選ぶ
- 髪の毛が脂っこい人は、石鹸系育毛シャンプーを選ぶ
- 脂性フケが気になる人は、ケトコナゾール配合の育毛シャンプーを病院で処方してもらう
本気で困ったら、育毛シャンプーではなく「病院」

頭皮環境を整えるためには、育毛シャンプーを使うだけでは足りない
育毛シャンプーさえ使っていれば、理想の頭皮環境を実現できるというわけではありません。
育毛剤も育毛シャンプー同様、毛を生やす効果はありませんが、頭皮の血行をよくしたり雑菌の繁殖を抑えたりしてくれるため、頭皮環境を整えるのに役立ちます。
さらに、頭皮環境を改善するためには、生活習慣全般を見直す必要があります。
ストレスや睡眠不足、食生活、飲酒や喫煙習慣なども、頭皮のコンディションに大きく関わってくるからです。
そのため、頭皮環境が悪化している原因を自分で判断するのは難しいでしょう。
効果的な育毛効果を得るためには、医師に相談して投薬治療するしかない
すでに薄毛が進行している人や、頭皮の様子が気になる人は、気軽に病院に行って医師に相談しましょう。
抜け毛の原因がAGAだった場合、男性ホルモンに働きかける投薬治療を行わない限り、どんどん進行していきます。
手遅れにならないためにも、育毛シャンプーや他のハゲ対策にこだわらず、なるべく早く投薬治療を行うことが大切です。
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