
2019年03月30日 更新
薄毛の原因は男性ホルモン? ハゲる前に知っておきたい効果的な薄毛治療とは
薄毛の原因は、男性ホルモンであり、AGA治療薬によって改善することが可能できます。
今回は、男性に見られる薄毛の特徴、効果が認められた治療薬を紹介しましょう。
薄毛・ハゲに悩む男性の割合ってどれくらい?

男性の中には、自分や周りの人がどれくらい薄毛・ハゲなのか気になる人もいることでしょう。
現在、薄毛やハゲにあたる男性は、全国で約1,200万人と言われています。
男性の3人に1人が薄毛で悩んでいる時代
現在、成人男性における薄毛の割合は3人に1人と言われており、多くの男性は20代後半あたりから薄毛の症状が顕著に現れるようです。
年代別男性の薄毛割合
- 20代男性における薄毛の割合:10%
- 30代男性における薄毛の割合:20%
- 40代男性における薄毛の割合:30%
- 50代以降の男性における薄毛の割合:40%
男性の薄毛・ハゲはAGA(男性型脱毛症)による影響
男性にとってセンシティブな悩みの1つ「薄毛」。
薄毛の多くはAGA(男性型脱毛症)と呼ばれる脱毛症の影響であると言われています。
男性型脱毛症は、成人男性に多く見られる、頭頂部・前頭部から進行する薄毛のこと。
現在、成人男性の3人に1人が薄毛に悩んでいると言われていますが、このほとんどが男性型脱毛症による薄毛なのです。
AGA(男性型脱毛症)は毛周期を乱すことで薄毛を引き起こす
男性型脱毛症は、髪の毛の成長サイクル「毛周期」を乱すことで薄毛を引き起こします。
本来、毛周期は2〜6年ほどの時間をかけて発毛・脱毛を繰り返しており、この周期が保たれることで、男性の髪の毛は太く長く成長することができます。
しかし、男性型脱毛症によって毛周期が100日程度に短縮されてしまい、頭頂部・前頭部から薄毛になっていくのです。
AGA(男性型脱毛症)による薄毛・ハゲの原因は?

男性の毛周期を乱すことで薄毛を引き起こす、男性型脱毛症。
この男性ならでは薄毛の原因とは、一体何なのでしょうか?
男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因
- 男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因①:男性ホルモン
- 男性型脱毛症による薄毛・ハゲの原因②:遺伝
AGA(男性型脱毛症)による薄毛・ハゲの原因①:男性ホルモン
男性型脱毛症による薄毛を引き起こす最大の原因は、男性ホルモンの影響。
男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン」が、頭頂部・前頭部に存在する男性ホルモン受容体と結合すると、毛周期を短くする電気信号が送られ、男性の薄毛を引き起こします。
この男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」は、同じく男性ホルモンの一種である「テストステロン」が、還元酵素「5αリダクターゼ」によって変換されることによって生成されます。
AGA(男性型脱毛症)による薄毛・ハゲの原因②:遺伝
「男性の薄毛は遺伝する」と聞いたことがありませんか?
男性の薄毛が必ず遺伝するわけではありませんが、男性の薄毛に関わる遺伝子情報は存在します。
薄毛に関わる遺伝子情報は、主に2種類。
男性の薄毛に関わる遺伝子情報
- 男性の薄毛に関わる遺伝子情報①:5αリダクターゼの分泌量
- 男性の薄毛に関わる遺伝子情報②:男性ホルモン受容体の感受性
男性型脱毛症の原因は、男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン」の影響です。
5αリダクターゼの分泌量が多いと、血中の男性ホルモン「テストステロン」がジヒドロテストステロンに変換されやすくなってしまいます。
この5αリダクターゼの分泌量は、優性遺伝されると言われており、両親のいずれかが5αリダクターゼの分泌量が多い遺伝子情報を持っていた場合、必ず子に引き継がれます。
また、男性の薄毛には、男性ホルモン受容体の感受性も関係しているようです。
男性型脱毛症の原因であるジヒドロテストステロンは、頭頂部・前頭部の男性ホルモン受容体と結合すると、脱毛を引き起こす電気信号を発します。
この男性ホルモン受容体がジヒドロテストステロンと結合しやすいと、脱毛を促す電気信号がより多く発せられるため、薄毛になりやすいのです。
この男性ホルモン受容体の感受性に関わる遺伝子情報は、X染色体上にあると言われています。
そのため、父親(XY)・母親(XX)のいずれかが、男性ホルモン受容体の感受性が高い遺伝子情報を持っていた場合、子に引き継がれる可能性があるのです。
しかし、5αリダクターゼの分泌量・男性ホルモン受容体の感受性いずれの遺伝子情報を持っていたとしても、必ず薄毛になるわけではありません。
薄毛に関する遺伝子情報が遺伝しているかどうかは、AGA専門クリニックなどで行われている遺伝子検査で知ることができるでしょう。
男性の薄毛・ハゲには予兆がある?

男性ホルモンが原因のAGA(男性型脱毛症)は進行性であり、自然治癒することはありません。
しかし、早期に対策することで、男性の薄毛は改善できる可能性がかなり高まると言われています。
ここでは、男性型脱毛症による頭頂部・前頭部の薄毛が始まる前に見られる「薄毛の予兆」について見ていきましょう。
男性型脱毛症における薄毛の予兆
- 男性型脱毛症における薄毛の予兆①:抜け毛の本数が多い
- 男性型脱毛症における薄毛の予兆②:髪の毛が細く、短くなってきた
男性型脱毛症における薄毛の予兆①:抜け毛の本数が多い
男性も女性も毛周期によって、1日に50〜200本ほどの髪の毛が抜けますが、正常な抜け毛と男性型脱毛症を発症した場合の抜け毛とでは、本数に違いがあるのです。
1日の抜け毛の数を正確に数えることは難しいですが、シャンプーのときや枕元を見たとき、抜け毛の数が増えたと感じる人は、男性型脱毛症の可能性があります。
男性型脱毛症における薄毛の予兆②:髪の毛が細く、短くなってきた
最近、髪質が変わったと感じた瞬間はありませんか?
男性型脱毛症になると、毛周期が短縮し、髪の毛が成長途中で脱毛してしまいます。
そのため、男性型脱毛症による薄毛の予兆として、十分に成長できなくなった細くて短い髪の毛が増えることがあるようです。
先天的な髪質と男性型脱毛症に関係はないと言われていますが、後天的に髪質が細くて短くなったと感じる人は、薄毛の予兆である可能性があります。
男性型脱毛症“以外”の薄毛・ハゲ

現在、成人男性1,200人のほとんどが男性型脱毛症による薄毛だと言われています。
しかし、中には男性型脱毛症以外の薄毛だという人もいることでしょう。
薄毛の原因も異なれば、薄毛の症状や対策法も変わってきます。
男性型脱毛症以外の薄毛について見ていきましょう。
男性型脱毛症以外の薄毛・ハゲ
- 男性型脱毛症以外の薄毛・ハゲ①:円形脱毛症
- 男性型脱毛症以外の薄毛・ハゲ②:脂漏性脱毛症
男性型脱毛症以外の薄毛・ハゲ①:円形脱毛症
ハゲ・薄毛の中では、耳にすることが多いであろう円形脱毛症。
円形脱毛症は、硬貨サイズの脱毛部位が現れる薄毛・抜け毛の病気で、頭部全体に薄毛・抜け毛の症状が現れます。
近年、この円形脱毛症の原因として有力視されているのが自己免疫疾患です。
自己免疫疾患によって免疫系に異常が生じると、髪の毛を有害なものとして攻撃してしまうため、抜け毛が起こると考えられています。
また、円形脱毛症の患者がアトピー疾患を持っていることが多いため、円形脱毛症とアトピーの関係性も疑われています。
男性型脱毛症以外の薄毛・ハゲ②:脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症とは、皮脂の過剰分泌によって大量発生したマラセチア菌が、頭皮や毛根に炎症を起こし、薄毛・抜け毛を引き起こすというもの。
脂っぽい頭皮の人がなりやすいと言われていますが、乾燥肌の人も要注意。
乾燥によって頭皮の皮脂が不足すると、身体が頭皮を守ろうとして皮脂を過剰に分泌させます。
慢性的な生活習慣の乱れは、頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌を引き起こすため、頭皮環境は清潔に保つようにしましょう。
「女性の薄毛」と「男性の薄毛」ってどう違うの?

男性も女性も頭を抱える「薄毛」ですが、男性と女性とでは薄毛の原因・症状が異なることを知っていますか?
ここでは、女性と男性における薄毛の原因・症状の相違点を見ていきましょう。
女性の薄毛・抜け毛は男性と異なって「びまん性」という特徴を持つ
女性の薄毛は男性の薄毛のように、頭頂部・前頭部など特定の部分から進行するわけではありません。
女性の場合、頭部全体が薄毛になるというびまん性という特徴を持ち、これには女性ホルモンの働きが関係していると言われています。
男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」が薄毛を引き起こすのに対して、女性ホルモン「エストロゲン」は、髪の毛の成長を助ける作用があるのです。
また、女性ホルモンの分泌は減ることはあっても、なくなることはないため、女性の薄毛の場合、男性のように頭皮が露出するような脱毛はしないと考えられています。
女性ホルモンの低下による薄毛「FAGA(女性男性型脱毛症)」
男性特有の薄毛に対して、女性にも女性特有の薄毛「FAGA(女性男性型脱毛症)」と呼ばれる脱毛症があります。
女性の体、内にも男性ホルモンは存在し、女性の薄毛は、主に女性ホルモンの分泌量低下により、男性ホルモンの働きが優位に現れることで発症します。
女性男性型脱毛症による薄毛の原因
- 女性男性型脱毛症による薄毛の原因①:出産
- 女性男性型脱毛症による薄毛の原因②:更年期
女性における薄毛の原因として、出産の影響が大きいと考えられています。
女性は妊娠すると母体と胎児を守るために、女性ホルモンが多量に分泌されますが、出産と同時に女性ホルモンの分泌量は急激に減少します。
出産後の一時的な女性ホルモンバランスの乱れによって、男性ホルモンの働きが現れやすくなり、一時的に薄毛・抜け毛の症状が見られるのです。
この一時的な薄毛の症状を「分娩後脱毛」と呼ぶこともあります。
また、女性ホルモンの分泌量は、加齢とともに減少すると言われており、女性の薄毛は40〜50代あたりから顕著に現れるようです。
女性における薄毛・抜け毛の原因
女性の薄毛の場合、多くは女性ホルモンの分泌量低下によるものですが、その他にも薄毛の原因はあります。
女性における薄毛・抜け毛の原因
- 女性における薄毛・抜け毛の原因①:ストレス
- 女性における薄毛・抜け毛の原因②:無理なダイエット
- 女性における薄毛・抜け毛の原因③:経口避妊薬(ピル)
- 女性における薄毛・抜け毛の原因④:過度のヘアケア
慢性的なストレスは自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンバランスを崩す原因になる危険があります。
また、無理なダイエットによって髪の毛や頭皮に必要とされる栄養が不足することも薄毛の原因の1つ。
経口避妊薬を服用すると、女性ホルモンの分泌が盛んに行われますが、中止すると服用前の状態に戻ってしまうため、一時的に薄毛・抜け毛の症状が見られます。
そして、過度のヘアケアも薄毛の原因となるおそれがあります。
ドライヤーやブラッシングのしすぎは、頭皮や髪の毛を傷つける原因となり、悪化すると薄毛を引き起こしてしまうかもしれません。
男性の薄毛・ハゲを悪化させてしまうもの

薄毛の主な原因は、男性ホルモンの影響です。
しかし、髪の毛が健康に育つためには、健康な頭皮環境が必要となります。
慢性的な頭皮環境の乱れは、薄毛を助長する可能性もあるでしょう。
頭皮環境の乱れを引き起こす原因は、生活習慣の中にたくさん潜んでいます。
では、どのようにして、薄毛・ハゲを悪化させるのでしょうか?
薄毛を悪化させる原因
- 薄毛を悪化させる原因①:食生活の乱れ
- 薄毛を悪化させる原因②:ストレス
- 薄毛を悪化させる原因③:睡眠不足
- 薄毛を悪化させる原因④:運動不足
- 薄毛を悪化させる原因⑤:飲酒
- 薄毛を悪化させる原因⑥:喫煙
- 薄毛を悪化させる原因⑦:間違った頭皮・髪の毛のケア
薄毛を悪化させる原因①:食生活の乱れ、偏食
頭皮環境が悪化する原因の1つとして、食生活の乱れが挙げられます。
野菜が少ないような食事は、血行不良を引き起こし、髪の毛や頭皮に必要な栄養が滞ってしまう可能性があります。
また、脂質の多い食事にも注意。
肉類・スナック菓子などジャンキーな食事を繰り返していると、皮脂の過剰分泌を引き起こし、頭皮が脂っぽくなってしまいます。
皮脂の過剰分泌は、毛穴を詰まらせるだけでなく、頭皮の常在菌を繁殖させる原因にもなりかねません。
薄毛になりにくい頭皮環境を作るためにも、バランスのよい食生活を心がけましょう。
薄毛を悪化させる原因②:ストレス
自己免疫疾患を引き起こす原因ともなるストレスですが、ストレスが薄毛へ与える影響はそれだけではありません。
慢性的なストレスは、血行不良や消化器機能の低下につながるため、薄毛の悪化を引き起こす危険があります。
しかし、ストレスの対策が薄毛の予防につながることも確かでしょう。
ストレスの感じ方は人それぞれ異なりますが、自分なりのストレス解消法を見つけることも薄毛の予防法の1つです。
薄毛を悪化させる原因③:睡眠不足
睡眠不足も薄毛を悪化させる原因の1つ。
睡眠不足が続くと、血行不良や自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。
また、睡眠の質にも注意しましょう。
寝る直前までパソコンやスマホの画面を見ていたり、部屋が明るい状態で就寝してしまうと、眠りが浅くなりやすいと言われています。
さらに、睡眠不足はストレスの原因にもなるでしょう。
薄毛を悪化させないためにも、健康のためにも、十分な睡眠は大切です。
薄毛を悪化させる原因④:運動不足
運動不足は、筋肉の硬直による血行不良を引き起こすことで、薄毛を悪化させる可能性があります。
仕事が忙しく、慢性的に運動不足な人も少なくないでしょう。
エスカレーターではなく、階段を利用するなど、生活の中にちょっとした運動を取り入れるといいかもしれません。
薄毛を悪化させる原因⑤:飲酒
アルコールは適量であれば、血管拡張作用によって頭皮の血行をよくする効果が期待できます。
しかし、お酒の飲み過ぎには要注意。
過度な飲酒が薄毛を悪化させる理由
- 過度な飲酒が薄毛を悪化させる理由①:体内の栄養がアルコールの代謝に消費される
- 過度な飲酒が薄毛を悪化させる理由②:アセトアルデヒドが睡眠障害を引き起こす
アルコールを代謝するために、たくさんの栄養を消費します。
過度な飲酒によって、多くの栄養素を消費すると、髪の毛や頭皮の健康を保つための栄養が不足してしまい、薄毛を悪化させる原因になり得ます。
また、アルコールの代謝時に発生する「アセトアルデヒド」は睡眠障害を引き起こす原因にも。
睡眠の質が落ちてしまうと、血行不良や自律神経の乱れを引き起こし、薄毛を悪化させかねません。
お酒は適量を守って楽しむようにしましょう。
薄毛を悪化させる原因⑥:喫煙
タバコには血管の収縮作用があるため、血行不良を引き起こし、髪の毛や頭皮の健康を害すおそれがあります。
また、タバコを吸う人はビタミンCの消費が激しいと言われており、それによって血行不良を引き起こしかねません。
そんな薄毛の悪化につながるおそれのあるタバコですが、タバコに含まれるニコチンは依存性が高いことで有名ですよね。
無理な禁煙は、ストレスの原因になります。
薄毛を悪化させないためには、無理のない範囲での減煙から始めましょう。
薄毛を悪化させる原因⑦:間違った頭皮・髪の毛のケア
頭皮・髪の毛のダメージも薄毛と深い関係があると言われています。
頭皮に合わない育毛剤やシャンプーを使い続けていると、頭皮環境の乱れを引き起こすおそれがあります。
頭皮や髪の毛の質は、人それぞれ異なります。
ただ高価なものを使うのではなく、あくまで自分の頭皮・髪の毛に合ったものを使うようにしましょう。
男性の薄毛・ハゲを救う! 効果が認められた薄毛治療とは

男性を悩ませる薄毛の多くは、男性型脱毛症によるもの。
男性型脱毛症から来る薄毛は、効果が認められたAGA治療薬で改善することが可能です。
ここからは、薄毛の治療効果が認められたAGA治療薬について見ていきましょう。
効果的な薄毛治療をまとめた「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」は、2017年に日本皮膚科学会と毛髪科学研究会が共同で策定したもの。
男性型脱毛症(male pattern hair loss,androgenetic alopecia)は思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症である。脱毛は生理的な現象ではあるが、外見上の印象を大きく左右するので QOL(Quality of life)に与える影響は大きい。近年、男性型脱毛症の病態解明が進むとともに有効な外用、内服の治療薬が開発され、皮膚科診療においても積極的に使用されるようになってきた。しかし、それでもなお皮膚科医の立場からは無効といえる科学的根拠に基づかない民間療法が社会的に横行し、無効な治療法を漫然と続ける患者も少なくなかった。
2010 年の男性型脱毛症診療ガイドラインにより、科学的根拠に基づいた情報を選び出し、医師、患者双方にとって標準的治療法を提示することで、本邦における男性型脱毛症診療水準を向上するという当初の目的を果たしたものと考えている。
ガイドラインでは、薄毛の効果的な治療法を推奨度別に、5段階で評価しています。
男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインにおける薄毛治療の推奨度
- 薄毛治療の推奨度A:行うよう強く勧められる
- 薄毛治療の推奨度B:行うよう勧められる
- 薄毛治療の推奨度C1:行うことを考慮してもよいが、十分な根拠がない
- 薄毛治療の推奨度C2:根拠がないので勧められない
- 薄毛治療の推奨度D:行わないよう勧められる
このガイドラインで薄毛治療に十分な効果が認められ、推奨度Aに位置づけられたのは、AGA治療薬による投薬治療だけ。
効果的な薄毛治療①:ミノキシジル外用薬
男性型及び女性型脱毛症診療ガイドラインでは、効果的な薄毛治療として、ミノキシジル外用薬による投薬治療を勧めています。
その昔、ミノキシジルは降圧剤として使用されていましたが、副作用として「多毛症」が見つかったことで、薄毛治療効果がある医薬品成分として研究されました。
ミノキシジルは、主に2つの作用から薄毛の治療効果を発揮します。
ミノキシジルの薄毛治療効果
- 薄毛治療効果①:成長期を延長・維持する
- 薄毛治療効果②:休止期から成長期への移行を促す
ミノキシジルの薄毛治療効果:「成長期を延長・維持する」
ミノキシジルは髪の毛の成長期を維持・延長することで、髪の毛の成長を促し、薄毛の治療効果を発揮します。
また、髪の毛の毛包は、ヘアサイクルを繰り返す度に小さくなっていき、アポトーシス(細胞死)を迎え、フケとなって体外に排出されます。
ミノキシジルは小さくなった毛包を大きく成長させ、アポトーシスを抑制することでも薄毛治療効果を発揮するのです。
ミノキシジルの薄毛治療効果:「休止期から成長期への移行を促す」
ミノキシジルは、髪の毛が抜け始める休止期の毛包に働きかけることで、成長期への移行を促進させる効果によっても薄毛治療効果を発揮します。
効果的な薄毛治療②:フィナステリド(プロペシア)
ガイドラインで薄毛治療効果が認められた「フィナステリド」は、ミノキシジルとは異なった作用によって薄毛を治療・改善します。
このフィナステリドは、薄毛の原因であるジヒドロテストステロンを抑制することで、薄毛を改善することができます。
フィナステリドは「5αリダクターゼ阻害薬」とも言われており、文字通り5αリダクターゼの働きを阻害することで、ジヒドロテストステロンの生成を抑制し、脱毛防止・薄毛の改善効果を発揮するのです。
このように、ミノキシジルとフィナステリドは異なったアプローチによって薄毛を治療するため、多くのAGA専門クリニックでは、両薬の併用を勧めています。
効果的な薄毛治療③:デュタステリド(ザガーロ)
ザガーロも、厚生労働省から薄毛治療に効果があるAGA治療薬として2015年9月に承認を受け、2016年6月から販売が開始されています。
ザガーロの有効成分デュタステリドは、フィナステリドと同様、ジヒドロテストステロンを抑制することで薄毛の治療効果を発揮します。
また、デュタステリドが持つ5αリダクターゼ阻害効果はフィナステリドよりも高いため、より高い薄毛治療効果が期待できるでしょう。
AGA治療薬による薄毛・ハゲ治療の注意点

AGA治療薬は薄毛治療効果が認められている一方で、いくつかの注意点があります。
正しく薄毛治療を行うためにも、AGA治療薬に関する正しい知識を身につけましょう。
薄毛治療における注意点①:副作用
AGA治療薬は、薄毛治療効果が認められている「医薬品」です。
体質・体調によっては、副作用が現れる可能性があるということを忘れてはいけません。
AGA治療薬に見られた副作用
- ミノキシジル:頭皮の痒み・発疹
- フィナステリド:性機能障害、性欲減退
- デュタステリド:性機能障害、性欲減退
ミノキシジル外用薬の場合、頭皮の痒みや発疹などの「頭皮トラブル」に関する副作用が現れる可能性があります。
もともと皮膚が弱い人、アレルギー体質の人は、あらかじめ医師に相談しましょう。
また、ジヒドロテストステロンを抑制することで薄毛治療効果を発揮するフィナステリド・デュタステリドでは、性機能障害や性欲の減退という副作用が見られる可能性があります。
しかし、臨床試験ではフィナステリド・デュタステリドの服用を止めても性機能障害が改善されなかった人もいたため、性機能障害の原因はAGA治療薬以外にある可能性が高いと言われています。
薄毛治療における注意点②:治療は継続的に行う
AGA治療薬による薄毛治療には、長期的・継続的な投薬が必要になります。効果が認められているAGA治療薬であっても、薄毛の改善効果が現れるまで3〜6ヶ月ほどの時間がかかるようです。
また、薄毛が改善されたからといって、AGA治療薬の投薬を中止してしまうと、薄毛は再び進行してしまいます。
しかし、薄毛治療のために一生AGA治療薬を飲み続けなければいけないわけではありません。
薄毛の原因である男性ホルモン量は加齢とともに減少していくため、AGA専門クリニックでは、薄毛の改善状況や検査結果を見ながら、適切な減薬措置がとられています。
薄毛治療における注意点③:女性はAGA治療薬を使えない
AGA治療薬は、成人男性の薄毛に対してのみ効果が認められています。
とくに、ジヒドロテストステロンの抑制によって、薄毛治療効果を発揮するフィナステリド・デュタステリドは、女性にとっては有害。
ジヒドロテストステロンは、胎児の生殖器を形成する重要なホルモンであり、妊婦がフィナステリド・デュタステリドを服用することによって胎児の生殖器形成に悪影響を与える危険があります。
さらに、フィナステリド・デュタステリドは経皮吸収のおそれもあるため、女性はAGA治療薬に触れることも避けるべきでしょう。
女性の薄毛に効果が認められているのは、ミノキシジル外用薬による治療のみ。
しかし、男性の薄毛と女性の薄毛では、効果が認められているミノキシジル外用薬の成分濃度が異なります。
男性の薄毛に認められているのは、ミノキシジル成分5%含有の外用薬である一方、女性の薄毛に効果が認められているのはミノキシジル成分1%含有の外用薬。
市販されているミノキシジル外用液の1つ「リアップ」でも、男性用と女性用ではミノキシジルの成分濃度が異なります。
薄毛の治療効果があるからといって、女性が男性用の治療薬を使用してはいけません。
男性の薄毛・ハゲは育毛剤で治る?

結論から言うと、育毛剤には薄毛を治す効果はありません。
市販されている育毛剤の多くは、化粧品や医薬部外品に該当し、薄毛の改善・治療効果を持つ成分が含まれていないのです。
しかし、育毛剤が薄毛に対して全くの無意味というわけではありません。
育毛剤が持つ薄毛に対する効果とは、一体何なのでしょうか?
育毛剤は頭皮環境を整えて、薄毛を予防するためのもの
先述したように、市販の育毛剤のほとんどが化粧品・医薬部外品に分類されるため、薄毛の改善・治療効果を持つ成分は含まれていません。
しかし、育毛剤は頭皮環境を整えることで、薄毛になりにくい頭皮環境を作ることができます。
また、頭皮環境が整えられることで、薄毛予防になるだけでなく、AGA治療薬による薄毛治療をサポートすることができるでしょう。
市販の育毛剤が持つ薄毛予防効果は、大きく分けて3つ。
育毛剤が持つ薄毛予防効果
- 育毛剤が持つ薄毛予防効果①:頭皮の血行をよくする
- 育毛剤が持つ薄毛予防効果②:頭皮を清潔に保つ
- 育毛剤が持つ薄毛予防効果③:頭皮や髪の毛に栄養を与える
育毛剤が持つ薄毛予防効果①:頭皮の血行をよくする
市販の育毛剤の中には、頭皮の血行をよくする成分が含まれているものがあります。
頭皮の血行がよくなることで、毛根まで十分な栄養が届けられ、髪の毛の成長をスムーズにすることが期待できるでしょう。
薄毛治療効果のあるAGA治療薬であっても、頭皮の血行が悪ければ、髪の毛は正常に成長しません。
育毛剤を使って頭皮の血行をよくし、薄毛になりにくい頭皮を作りましょう。
育毛剤が持つ薄毛予防効果②:頭皮を清潔に保つ
育毛剤の中には、抗菌作用のある成分を含んでいるものがあります。
とくに脂漏性(しろうせい)脱毛症による薄毛は、頭皮の常在菌が繁殖することで引き起こされます。
育毛剤の使用は、頭皮を清潔に保つという意味でも、薄毛になりにくい状態を作ることにつながるでしょう。
育毛剤が持つ薄毛予防効果③:頭皮や髪の毛に栄養を与える
髪の毛が健康に成長するためには、毛根に十分な栄養を届ける必要があります。
育毛剤によって頭皮に栄養を与え、毛根に直接栄養を届けることができるでしょう。
正しいシャンプーで薄毛・ハゲ対策

薄毛予防のためには、生活習慣だけでなく、毎日のシャンプーを見直すことも大切です。
正しくシャンプーを行うことも、薄毛になりにくい頭皮環境につながるでしょう。
正しいシャンプー方法で薄毛を予防
正しくシャンプーをすることも、薄毛予防法の1つです。
シャンプーによって頭皮環境を整え、薄毛になりにくい頭皮を作りましょう。
薄毛を予防するためのシャンプー法
- お湯だけで予洗い
- 手でよく泡立てる
- 爪は立てない
- しっかりすすぐ
まずは、シャンプーを使う前に、お湯だけでしっかり頭皮・髪の毛を洗いましょう。
お湯だけでも、髪の毛の汚れや余分な皮脂を十分に落とすことができます。
手に取ったシャンプーは、手でしっかり泡立ててから使いましょう。
シャンプーを直接頭皮につけてしまうと、毛穴に洗浄成分が溜まりやすくなってしまいます。
また、しっかりシャンプーするとはいえ、爪を立ててゴシゴシ擦るような洗い方は頭皮を傷つけ、薄毛を悪化させてしまうかもしれません。
爪は立てず、指の腹を使って、優しくシャンプーしましょう。
そして、シャンプーの中で一番重要なのが「すすぎ」。
頭皮や髪の毛がしっかり洗えていたとしても、十分なすすぎを行わないと、落ちた汚れや皮脂が頭皮や髪の毛に付着したままになってしまいます。
また、シャンプーの洗浄成分が頭皮に残っていると、頭皮が炎症を起こす危険もあります。
十分な水量と時間を使って、しっかりとすすぐようにしましょう。
薄毛予防のためにはシャンプーの洗浄成分にもこだわりを
薄毛予防のためには、シャンプーに含まれる洗浄成分にも気をつけるようにしましょう。
シャンプーに含まれる洗浄成分を「界面活性剤」と言います。
市販のシャンプーに含まれている界面活性剤は、大きく分けて3種類。
シャンプーに含まれている界面活性剤
- シャンプーの界面活性剤①:高級アルコール系
- シャンプーの界面活性剤②:石けん系
- シャンプーの界面活性剤③:アミノ酸系
高級アルコール系は、市販のシャンプーに多く使われている界面活性剤で、洗浄力が強いのが特徴。
しかし、洗浄力が強いがゆえに、頭皮の皮脂を落としすぎてしまうおそれがあり、薄毛予防のためにはおすすめできません。
また、石けん系の界面活性剤は洗浄力が強い上に、自然由来の成分を使っているため、比較的頭皮に優しいと言われています。
薄毛予防のためには、アミノ酸系の界面活性剤を含んだシャンプーがおすすめです。
アミノ酸系は、洗浄力が抑えられており、適度な皮脂を頭皮に残してくれます。
多くの育毛シャンプーやスカルプシャンプーは、このアミノ酸系の界面活性剤を使っているようです。
男性の薄毛・ハゲ対策は食事からも

薄毛対策で重要なのは、頭皮環境を整え、髪の毛に十分な栄養を与えること。
偏食や脂質の多い食事を避けるだけでなく、頭皮環境を整えてくれる栄養もしっかり摂るようにしましょう。
ここでは、薄毛対策をする上で、摂りたい栄養素を紹介します。
薄毛対策として摂取したい栄養素
- 薄毛対策として摂取したい栄養素①:アミノ酸
- 薄毛対策として摂取したい栄養素②:亜鉛
- 薄毛対策として摂取したい栄養素③:ビタミン類
薄毛対策として摂取したい栄養素①:アミノ酸
髪の毛は、ケラチンと呼ばれるアミノ酸の結合体から構成されています。
そのため、健康な髪の毛の成長を助け、薄毛を予防するためには良質なアミノ酸を摂ることも大切です。
しかし、アミノ酸の摂り過ぎは、アミノ酸インバランスを引き起こし、思わぬ不調をきたす可能性があります。
アミノ酸インバランスとは、アミノ酸同士のバランスが崩れることにより、身体がアミノ酸不足と錯覚する現象。
あくまで、バランスよく栄養を摂るようにしましょう。
薄毛対策として摂取したい栄養素②:亜鉛
亜鉛も薄毛対策として大切な栄養の1つ。
亜鉛は、アミノ酸からケラチンへの変換を助けると言われており、変換をスムーズにすることで、髪の毛の成長をサポートしてくれます。
また、亜鉛が不足すると、味覚障害や免疫力の低下など、身体にさまざまな症状が現れます。
通常の食事をしていれば、亜鉛が不足することはないと言われていますが、近年の国民健康・栄養調査では、亜鉛不足が指摘されています。
普段の食事で、亜鉛が不足しがちだと感じる人は、サプリメントなどを使って不足した亜鉛を補うといいでしょう。
薄毛対策として摂取したい栄養素③:ビタミン類
ビタミンは、血行不良を防ぎ、新陳代謝を整えるだけでなく、免疫にも関わっている大切な栄養素。
ビタミンが不足してしまうと、血行不良によって頭皮や髪の毛に必要な栄養が滞ってしまい、薄毛を悪化させかねません。
また、薄毛を引き起こす脱毛症の中には、免疫異常が原因であるものもあるため、ビタミンはしっかりと摂取するようにしましょう。
薄毛・ハゲでも似合う髪型・スタイリングのコツ

薄毛の治療効果が認められているAGA治療薬は、改善効果が現れるまで3〜6ヶ月ほどの時間がかかります。
薄毛は、男性にとって繊細な悩み。
治療効果が現れるまでは、今ある髪の毛でかっこいい髪型に仕上げたいですよね。
ここでは、薄毛を目立たせないポイント、薄毛でも似合う髪型を紹介します。
薄毛を目立たせないポイント
薄毛を目立たせないポイント
- 薄毛を目立たせないポイント①:短髪にする
- 薄毛を目立たせないポイント②:髪の毛にアクセントを付けて視線を逸らす
- 薄毛を目立たせないポイント③:明るい色にカラーリングする
「短髪にしたら薄毛が余計に目立つじゃないか!」と思った人もいるかもしれません。
しかし、髪の毛を短くカットすることで、薄毛じゃない部分の地肌が自然と透けて見えるようになるため、薄毛を目立ちにくくすることができます。
また、パーマなどで髪の毛にアクセントを付けることで、薄毛じゃない部分に目線を逸らすことができるでしょう。
さらに、薄毛を目立たなくさせるためには、髪の毛を染めてみるのもいいかもしれません。
髪の毛を明るめに染めることで、頭皮とのコントラストを下げ、薄毛が目立ちにくくなるでしょう。
薄毛の男性におすすめの髪型
髪型は、その人の印象を決める重要なポイント。
薄毛を目立たせないポイントを抑えた上で、薄毛でも似合う髪型を紹介していきましょう。
薄毛の男性におすすめの髪型
- 薄毛の男性におすすめの髪型①:ツーブロック
- 薄毛の男性におすすめの髪型②:オールバック
- 薄毛の男性におすすめの髪型③:マッシュヘアー
「ツーブロック」は、サイドを刈り上げることで、トップにボリュームが出やすくなるため、薄毛を目立たなくすることができるでしょう。
また、前頭部の薄毛が気になる人には「オールバック」がおすすめ。
オールバックは、髪の毛をまとめることで清潔感が出るだけでなく、頭頂部の薄毛をカバーすることもできます。
また、パーマを生かした「マッシュヘアー」でも薄毛をカバーすることができるでしょう。
薄毛の部分だけでなく、全体にのボリュームを出すことで薄毛を目立たなくしてくれます。
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男性の薄毛・ハゲ治療はAGA専門クリニックで

男性の薄毛に関する悩みは、AGA専門クリニックで解消できるでしょう。
AGA専門クリニックでは、薄毛の治療効果が認められたAGA治療薬の処方だけでなく、基本無料のカウンセリングも行っています。
薄毛の治療は、一部の内科や皮膚科でも扱っていますが、AGA+ではAGA専門クリニックの受診をおすすめしています。
AGA専門クリニックでは効果的な薄毛治療を行っている
AGA専門クリニックでは、薄毛の治療効果が認められたAGA治療薬以外にも、クリニックオリジナルの薄毛治療を行っている病院もあります。
薄毛の改善は、長期的・継続的な治療が必要とされるため、自分の薄毛の症状や体質、経済状況などから、最適な薄毛治療を見つけることが大切です。
多くのAGA専門クリニックでは、薄毛に関する豊富な知識や治療法をもとに、一人ひとりに合った薄毛治療が行なわれています。
AGA専門クリニックでは薄毛治療に関するサービスが充実している
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薄毛の原因・症状だけでなく、効果的な薄毛予防についても、薄毛のプロにマンツーマンで相談することができるでしょう。
また、男性にとって「薄毛」とは、見た目の印象だけでなく、心の負担にもなり得る繊細な悩み。
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