
2018年08月28日 更新
ハゲって治療できるの? ハゲの原因と効果的な治療法
効果的なハゲ治療って?

ハゲる原因は、人それぞれ。
そんな中でも、ハゲに悩む男性の多くが罹患していると言われる脱毛症が、AGA(男性型脱毛症)です。
ハゲの原因はそもそもなに?
冒頭でも触れたように、ハゲ・薄毛に悩んでいる男性の多くは、AGAを罹患している可能性が高いと言われています。
AGAによってハゲる原因は、「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモン。
男性ホルモンの「テストステロン」と「5αリダクターゼ」という還元酵素が結合すると、ジヒドロテストステロンに変換されます。
このジヒドロテストステロンが、髪の毛の成長サイクルである「ヘアサイクル」を乱します。

ジヒドロテストステロンは、ヘアサイクルのうち「成長期」を短縮。
すると、髪の毛が十分に成長する前に抜け落ちてしまうのです。
そして、抜ける落ちる髪の本数が増え、「ハゲ」を引き起こします。
AGAによるハゲには、投薬治療が効果的
日本皮膚科学会が策定した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」で、最も推奨されている治療法は、投薬治療。
AGAの投薬治療法として、ハゲの原因である「ジヒドロテストステロン」を抑制する内服薬や、血行促進作用がある外用薬の投薬が勧められています。
ハゲ治療に用いられる内服薬は、「フィナステリド」や「デュタステリド」など。
一方、ハゲ治療に用いられる外用薬は、「ミノキシジル外用薬」が一般的です。
AGA治療薬はどのような働きでハゲを改善するのか

AGA治療に用いられる治療薬にはさまざまな種類があり、治療薬によって、それぞれ作用が異なります。
代表的な、AGA治療薬はミノキシジル外用薬・フィナステリド・デュタステリドの3つ。
次に、3つの治療薬のメカニズムについて紹介します。
ハゲ治療薬①:ミノキシジル外用薬
AGA治療薬の一つである「ミノキシジル外用薬」は、もともと高血圧患者のための降圧剤として開発されました。
しかし、ミノキシジルを服用した患者から「毛が生える」副作用が多数報告され、ハゲ治療薬としての研究が進み、現在は正式な発毛剤として認められています。
ミノキシジルの発毛メカニズムは、主に「頭皮の血行促進」と「毛包への作用」です。
もともと降圧剤だったミノキシジルには、当然、血行を促進する作用があります。
頭皮の血行が促進されると、頭皮の隅々まで栄養が行き渡り、髪の毛の成長もスムーズに。
また、ミノキシジルは髪の毛の毛根部分にある「毛包」に直接作用することで、発毛を促す効果があるとも言われています。

ハゲ治療薬②:プロペシア(フィナステリド)
AGA治療薬の一つである「プロぺシア」は、塗るタイプのミノキシジル外用薬とは異なり、飲むタイプの治療薬です。
プロペシアには、「フィナステリド」という有効成分が含まれており、このフィナステリドにはAGAの原因物質の働きをブロックする作用があります。
AGAの原因である「ジヒドロテストステロン」。
フィナステリドは、このジヒドロテストステロンの生成を促す5αリダクターゼ2型を阻害する効果を持っているのです。
5αリダクターゼ2型は、AGAの症状が現れやすい前頭部や頭頂部に多く存在する還元酵素。
フィナステリドを服用することで、ジヒドロテストステロンの生成が抑えられ、ハゲの進行を抑制、ハゲを改善させることができます。
ハゲ治療薬③:ザガーロ(デュタステリド)
「ザガーロ」は、2016年6月から販売が始まった比較的新しいハゲ治療薬。
ザガーロには「デュタステリド」という成分が含有されており、フィナステリド同様、5αリダクターゼを阻害することでハゲを治療します。
ハゲを治療するメカニズムはプロペシアとほとんど同じ。
プロペシアと異なるのは、AGAの原因となる5αリダクターゼ2型のみならず、全身に存在する5αリダクターゼ1型の阻害効果も持つ点です。
また、5αリダクターゼ2型の阻害効果もプロペシアの約3倍と言われています。
とある研究ではデュタステリドが持つハゲへの治療効果は、フィナステリドの約1.6倍とされており、優秀なAGA治療薬と言えるでしょう。
AGA治療薬を使ったハゲ治療で見られる副作用

ハゲの診断は、素人目には難しいもの。
誤った自己診断によって、ハゲの症状を進行させてしまうことすらあるかもしれません。
誤った診断・治療を防ぐために、薄毛治療を専門とする医師の診断を受け、適切な治療薬を処方してもらいましょう。
ハゲ治療の医師の指示の下、自分に合った治療薬を服用することでより高い効果が期待できます。
AGA治療薬は副作用が出る人もいる
ハゲ治療に使用される治療薬は改善効果が期待できる一方で、人によっては副作用が出る場合があります。
AGA治療薬を服用するときは、副作用についてもしっかりと理解しておきましょう。
ミノキシジル外用薬の副作用
ミノキシジル外用薬に報告されている主な副作用は、かゆみ、かぶれ、湿疹などの頭皮トラブルに関するもの。
もともと降圧剤として使用されていたこともあり、血圧の低下やそれに伴う不調を起こす場合もあります。
肌が弱い人は、ミノキシジル外用薬の投薬治療を始める前に、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
プロペシア(フィナステリド)の副作用
プロペシアの主な副作用と、その出現率は以下の通りです。
プロペシアの副作用と出現率
- 性欲減退:1〜5%未満
- 勃起機能不全:1%未満
- 射精障害:1%未満
- 精子量減少:1%未満
その他に、重大な副作用として肝機能障害が見られることがありますが、これは内服薬が肝臓で消化されるためであり、プロペシアに限った副作用ではありません。
もし、肝機能に不安がある人は、治療前に医師に相談するとよいでしょう。
ザガーロ(デュタステリド)の副作用
ザガーロの主な副作用と、その出現率は以下の通りです。
ザガーロの副作用と出現率
- 性欲減退:3.9%
- 勃起不全:4.3%
- 精液量減少:1.3%
ザガーロの服用でも肝機能障害が見られる場合があるので、肝機能に不安がある場合、治療前に必ず医師・薬剤師に相談するようにしましょう。
個人輸入した治療薬は、粗悪品や偽物の可能性がある
AGA治療に用いられるハゲの治療薬を個人輸入し、使用している人がいます。
個人輸入をすることでコストを抑えることができますが、購入した商品に粗悪品や偽物が混じっていることもあります。
粗悪品や偽物を服用することは、大変危険です。
中には原産国が不明のものもあり、どのような成分が含まれているのかわからなことも。
また、ハゲを抑制する成分の含有量が日本人には多すぎるケースもあります。
ハゲ治療のために輸入した薬によって、逆に体調を害してしまっては本末転倒。
安心してハゲ治療を行うためにも、医療機関を利用し、自分に合った治療薬を処方してもらいましょう。
投薬治療以外のハゲ治療とは?

AGAによるハゲには、投薬治療が効果的。
しかし、投薬治療以外のハゲ治療も存在します。
投薬治療よりも効果があるとされる治療法は未だ見つかっていませんが、「今後期待される治療法」として注目を集めている治療法も数多く存在します。
続いては、投薬治療以外のハゲ治療について見ていきましょう。
植毛
植毛とは、髪が抜けハゲてしまった頭皮に直接髪の毛を植える治療方法です。
植毛には、「自毛植毛」と「人工毛植毛」の2種類があり、日本皮膚科学会が策定したガイドラインでは、それぞれAGA治療としての推奨度が異なっています。
自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の自分の毛包組織を、脱毛部位に移植する治療法で、定着率が高いとされています。
そのため、ガイドラインでの推奨度は男性がB(行うよう勧める)、女性はC1(行ってもよい)。
人工植毛の場合、化学繊維である人工毛の植毛によって、拒絶反応が出てしまう可能性が高いため、推奨度は男女ともにD(行うべきではない)です。
HARG療法
HARG療法とは、細胞の新陳代謝を促す成長因子や栄養成分を含んだ「HARGカクテル」を、直接頭皮に注入することで発毛を促そうとする治療法のことです。
このHARG療法は、日本医療毛髪再生研究会によって開発された方法で、日本医療毛髪再生研究会が許可した病院にのみ施術が許されている医療行為です。
メソセラピー療法
メソセラピー療法とは、有効成分や栄養成分をハゲがきになる部分に直接注入する治療法のことです。
血管を拡張する成分やアミノ酸、ビタミンなどの注入する成分量は、クリニックによって違いがあります。
クリニックによっては、「ミノキシジル」や「フィナステリド」などの治療成分が含まれているところもあるようです。
以前のメソセラピー療法には成長因子が含まれていませんでしたが、現在では成長因子を含有したメソセラピー治療を行っているクリニックも出てきました。
ハゲ治療を受けられる病院は?

AGA専門クリニックだけではなく、皮膚科、美容クリニックでもAGA治療を受けることができます。
しかし、皮膚科や美容クリニックでは、ハゲの治療に対応できる専門医は、まだまだ少ないのが現状です。
もしハゲに悩み、その治療先に迷ったら、AGA専門クリニックへ相談することをおすすめします。
AGA専門クリニックとは、AGA治療を専門的に扱う病院のことを指します。
薄毛の症状を専門的な視点から診断し、一人ひとりに合ったハゲ治療を行ってくれる医療機関です。
そのため、AGA治療において経験豊富な医師が、ハゲに悩む患者の症状に合った治療薬を提案してくれます。
さらに、必要であれば投薬以外の治療を受けることができます。
初めて病院に行こうと思った人やAGA専門クリニック以外でのハゲ治療を行っていたけれど効果が得られない人は、AGA専門クリニックを受診してみるといいでしょう。
皮膚科でのハゲ治療
AGA治療を実施している皮膚科はたしかにありますが、皮膚科とは全身の皮膚はもちろん、爪など幅広く診察を行う医療機関。
そのため、皮膚科に在籍する医師の中でAGA治療を熟知した医師は、ほとんどいません。
ハゲ治療に用いられる「メソセラピー療法」「HARG療法」などの治療は基本的に受けられず、一般的な皮膚科では、内服薬や外用薬の投薬での治療がベースとなります。
美容クリニックでのハゲ治療
美容整形などの治療を行う美容クリニックでも、AGAを専門的に扱う医師が常駐していたり、AGAの治療を受けられるメニューを用意していたりするクリニックがあります。
しかし、全美容クリニックが、AGA治療に対応できる医師を確保しているわけではなく、AGA治療のメニューを扱っているわけでもありません。
まだまだAGA治療を受けられる美容クリニックの数は少なく、ハゲ治療に対する環境には差があります。
ハゲの治療は早めに始めようハゲ治療は早期発見・早期治療が望ましい

多くのハゲは放置しても自然に治癒することはなく、どんどんと症状は悪化していきます。
しかし、早い段階で薄毛に気付き、ハゲ治療を始めることができれば、改善の可能性は高まります。
薄毛に気付いたら放置せず、できるだけ早く専門医へ相談しましょう。
またハゲ治療の重要なポイントは、自分の症状に合った対策をとること 。
ハゲの症状や進行のスピードは人によって異なり、症状が出た時期や体質、生活リズムなどによっても変わります。
また、同じ種類の症状を発症した患者が、同じ治療薬を使用したとしても、改善の度合いは人それぞれです。
ハゲ治療で大切なのは、その人に合った対策をとること
ハゲの症状を改善するためには、とにかく自分に合った対策をとることが大切。
また、症状に合った治療薬を選び、生活を見直すことも重要なポイント。
ハゲの悩みはセンシティブな問題ですが、治療については一人で悩まず、医師に相談してみましょう。
「ハゲてきたかもしれない」と少しでも気になったら、無料のカウンセリングを受けるだけでもいいので、まずは病院を訪ねてみましょう。