
2018年08月02日 更新
「また抜けた……」抜け毛を引き起こす原因と対策まとめ
抜け毛が多い理由

髪の毛は発毛と脱毛を繰り返すことで健康を保っているため、抜け毛は健康な人でもある程度起こります。
抜け毛が多い理由を探るには、1日に生じる抜け毛の量や髪の毛が抜けるメカニズムを知っておく必要があります。
1日の抜け毛量は50〜100本ほど
健康な人の場合、1日に起きる抜け毛の量は最低でも50本、多くて100本程度です。
髪の毛には毛周期と呼ばれる成長サイクルがあり、発毛してから約1,000〜2,000日で髪の毛は抜けていきます。
毛周期には成長期、退行期、休止期と呼ばれる3つのサイクルがあり、成長期はその名の通り髪が成長する期間です。

退行期は髪の毛の成長が衰える期間、休止期は成長が止まり新しい髪の毛が生えるのを待つ準備期間です。
抜け毛が起こるのは休止期で、古い髪の毛が抜けることで新しい髪の毛が生えてきます。
また抜け毛の量は季節によっても変わり、夏の終わりごろから秋口が一番抜け毛が多いといわれています。
夏の間に浴びた紫外線による頭皮へのダメージや、気候の変化による自律神経の乱れなどが、普段より抜け毛が増える原因だと考えられています。
シャンプーのときに抜け毛が多くなる
抜け毛が起きるタイミングはさまざまですが、シャンプー時はとくに抜け毛の量が多くなるといわれています。
しかし、シャンプーが原因で健康な髪の毛まで抜け毛となるわけではありません。
髪を洗うことで頭皮にほどよい刺激が与えられ、休止期の髪の毛や、すでに抜け毛となっていた髪の毛がいっぺんに抜けて洗い流されます。
そのためシャンプーのときは、普段よりも抜け毛が多いように見えるのです。
また、髪の毛の長い人は短い人よりも抜け毛が多く見えてしまうことがあります。
「頭皮環境の乱れ」は抜け毛が多くなる原因に
抜け毛を防ぎ、髪の毛の成長・健康維持をするのには栄養が欠かせません。
髪の毛が成長するには、まず頭皮の毛細血管から栄養を受け取る必要があります。
しかし、頭皮の血行が悪くなると、成長するのに欠かせない栄養が毛根へ十分に行き届かず、髪の毛が健康に成長することができなくなってしまいます。
また、抜け毛を防ぐには頭皮の血行を促進するだけではなく、頭皮を清潔に保っておくことも大切です。
不衛生な状態の頭皮が抜け毛や薄毛が起きる原因となってしまうこともあるので、頭皮環境には注意しましょう。
抜け毛が多い人は生活習慣の乱れが原因かも

抜け毛が多いと感じる人は、生活習慣の乱れが原因となっている可能性があります。
抜け毛が多いときに注意するべき生活習慣をチェックしてみましょう。
運動や食事、睡眠の習慣が抜け毛を防ぐ
運動不足によって頭皮の血流が悪くなると、髪の毛が健康に成長することができなくなってしまい、結果として抜け毛が生じる可能性があります。
また、睡眠不足は体の疲れやストレスを引き起こし血流が悪くなる原因になることも。
さらに、偏食で栄養バランスが偏りがちになると、髪の毛の成長が滞り抜け毛が多くなることがあります。
抜け毛が多くなってきたと感じたら、生活習慣の見直し・改善を試みましょう。
過度な飲酒や喫煙は抜け毛が多くなる原因に
髪の毛はアミノ酸で構成されていますが、過度な飲酒によってアミノ酸が不足すると、抜け毛が生じたり薄毛になりやすくなるおそれがあります。
また、喫煙によって血流が悪くなれば、頭皮まで十分な栄養が届かず、抜け毛が増える原因ともなるでしょう。
「抜け毛が多い」と感じる人は、飲酒・喫煙の頻度を改めてみるといいかもしれません。
「抜け毛が多い」と感じたときに行なうべき対策

抜け毛が多い状態を悪化させないためには、先述のように生活習慣を見直すことが大切です。
他にも育毛剤を利用したり、正しい頭皮のケア方法を身につけておくことで、抜け毛対策になるでしょう。
ここでは、抜け毛を防ぐ育毛剤の選び方や使い方、頭皮を清潔に保つケア方法を紹介します。
抜け毛対策は「育毛剤が持つ効果の理解」が重要
育毛剤を使ったことがあるけれど、髪の毛が生えてこなかったという人が多いかもしれません。
実は育毛剤の多くは医薬部外品・化粧品に分類されており、発毛ではなく「頭皮のケア」や「抜け毛・薄毛の予防」が目的で販売されています。
医薬品であれば薄毛の改善も見込めますが、育毛剤の多くは医薬部外品であるため、改善や治療の効果は期待できないのです。
育毛剤はあくまでも頭皮のケア目的や、抜け毛を予防する目的で使用するようにしましょう。
育毛剤の効果と使用法
育毛剤の種類には、頭皮の血流をよくするものや、頭皮に栄養を与えるもの、頭皮を清潔に保つものなどがあります。
運動不足だと感じていたり、喫煙をする人は頭皮の血流が悪くなっている可能性があるので、血流をよくする育毛剤を使うことで抜け毛を対策してみましょう。
食事のバランスが偏りがちで、髪の毛・頭皮の栄養が足りていないと感じている人は、頭皮に栄養を与えるタイプの育毛剤がおすすめ。
皮脂が多いなど頭皮の汚れが気になる人は、皮脂を抑制して頭皮を清潔に保つ育毛剤が抜け毛対策に適しているかもしれません。
育毛剤は入浴後、髪をしっかりと乾かしてから使いましょう。
髪の毛が濡れた状態で使用すると、液だれの原因になったり、育毛剤の成分が頭皮に浸透しにくくなることも。
育毛剤と合わせて頭皮マッサージを行うことで、血流がよくなることが期待でき、抜け毛が多い状態を予防することにもつながるでしょう。
抜け毛対策をするなら「シャンプーの仕方」から改善しよう
抜け毛が多い状態を改善する上で、シャンプーの仕方を見直し、頭皮環境を整えることは非常に大切です。
シャンプーするときに爪を立ててゴシゴシと洗っていたり、熱いお湯で髪を洗っている人は注意が必要です。
爪を立てたり強く洗うことで頭皮にダメージを与えてしまったり、抜けるはずではなかった髪の毛まで抜け毛にしてしまう可能性があります。
シャンプーするときは指の腹で、耳の裏や襟足などの端から頭頂部にかけて、優しくマッサージするように洗うことが大切です。
また熱湯でシャンプーすると、頭皮が乾燥しやすくなるほか、頭皮にダメージを与えてしまうと言われています。
頭皮の乾燥は抜け毛の原因ともなるため、シャンプーをするときは38度くらいのぬるま湯で洗うようにしましょう。
ほかにも、髪が長い方はブラッシングをして髪の毛についた埃や汚れを落としてから洗ったり、シャンプーを付け過ぎないようにすることも、抜け毛を対策する上で重要です。
抜け毛を防ぐ上で「ドライヤー」は重要
入浴後、すぐ乾くからといってドライヤーをかけない方もいますが、自然乾燥は頭皮環境を悪化させてしまう可能性があります。
髪の毛や頭皮が濡れたままだと雑菌が繁殖しやすくなるほか、頭皮の体温が下がって血行不良の原因になることも。
髪の毛を洗った後はきちんとドライヤーをかけ、頭皮環境を清潔に保つことを心がけましょう。
ドライヤーをかける前は、髪の毛の水分をタオルで拭き取り、長時間ドライヤーをかけすぎないようにするのがコツです。
長時間ドライヤーをかけるとキューティクルを傷付けてしまうことがあるので、水分はできるだけ拭き取ってから短い時間で乾かすようにしましょう。
またドライヤーをかける際は、頭皮に近付け過ぎないようにドライヤーを20センチ以上離して、根本から乾かすようにするのもポイントです。
ドライヤーを近づけすぎると、熱風によって頭皮にダメージを与えてしまい、抜け毛を悪化させる原因となるおそれがあるため注意しましょう。
抜け毛の原因となる「AGA」の症状って?

薄毛に悩む人は約1,200万人おり、なかでもAGAと呼ばれる男性型脱毛症が原因となって起こる抜け毛や、薄毛に悩みを抱えている男性が多いと言われています。
AGAは思春期を過ぎた成人男性に見られる脱毛症で、症状の特徴としては前頭部や頭頂部から抜け毛や薄毛が進行していきます。
AGAの進行にはパターンがあり、前頭部から抜け毛や薄毛が進行するパターンや頭頂部から進行するパターン、また前頭部と頭頂部の両方から進行するパターンもあります。
AGAは徐々に進行していくため、多くの場合症状が進行していることに気付きにくいです。
抜け毛や薄毛の症状が進行する原因はいくつかありますが、AGAの原因としてあげられるのは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンの影響。
ジヒドロテストステロンが髪の毛根部に作用することによって、毛周期が乱れ、髪の毛が早期に抜け毛となってしまうといわれています。
ジヒドロテストステロンは、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの一種と、還元酵素である5αリダクターゼが結びつくことで生成されます。
テストステロンは筋肉や骨の形成にかかわる重要な役割を持ち、男性にとって欠かせない存在です。
5αリダクターゼは前頭部や頭頂部に多く存在し、分泌量が多いと、ジヒドロテストステロンも多く生成される傾向にあるといわれています。
こうした男性ホルモンによる影響で、AGAによる抜け毛が起こります。
FAGAは女性特有のAGA
女性の抜け毛や薄毛は男性の場合とは違い、ホルモンバランスの乱れが原因で起こることが多いです。
女性に見られる多くの薄毛は、FAGAと呼ばれています。
FAGAの症状の特徴は髪全体が薄くなることで、AGAと違って前頭部や頭頂部など特定の部位から抜け毛が起こることがなく、AGAよりも進行に気づきにくいことが多いです。
AGA以外の脱毛症の可能性も?

抜け毛が多い原因は、ほとんどの場合AGAによる症状だといわれていますが、脱毛症によって抜け毛が起きることもあります。
抜け毛を引き起こす脱毛症①:円形脱毛症
AGA以外の抜け毛の原因として考えられるのが、円形脱毛症によるものです。
AGAの場合、頭頂部や前頭部が広い範囲で抜け毛が起こり薄くなっていきますが、円形脱毛症は局部的に抜け毛が生じます。
豆つぶほどの大きさから硬貨ほどの大きさの脱毛部位が、楕円形にできるのが特徴です。
円形脱毛症には進行レベルがあり、一カ所だけ抜け毛が生じる単発型から、複数の箇所に抜け毛が生じる多発型、髪の毛のほかにも全身の体毛に抜け毛が生じる汎発型などがあります。
円形脱毛症の主な原因は自己免疫疾患だといわれており、自己免疫疾患はストレスが引き金となって起こる可能性があります。
抜け毛を引き起こす脱毛症②:脂漏性脱毛症
皮脂の過剰分泌によって引き起こされる抜け毛が、脂漏性脱毛症です。
頭皮が脂っぽくベタベタしている状態になり、症状が進行すると赤みやかゆみ、抜け毛のほか、においなどを引き起こします。
皮脂が過剰分泌されることで雑菌が繁殖し、毛穴に炎症を起こすことが抜け毛の原因となります。
抜け毛を引き起こす脱毛症③:ひこう性脱毛症
ひこう性脱毛症の特徴は、乾性・脂性のフケが発生し抜け毛が起こることです。
フケは毛穴を詰まらせるだけでなく、雑菌の繁殖によって頭皮に炎症を引き起こすことも。
頭皮に合わないシャンプーや間違ったケア方法によって、ひこう性脱毛症による抜け毛を引き起こすこともあるので注意しましょう。
抜け毛が多いと感じたら、まず病院へ

最近では、抜け毛や薄毛について、診断・治療してくれる病院が多くあります。
毛髪外来や薄毛の治療を専門とするクリニックのほかに、皮膚科でも抜け毛の症状を診てもらうことができます。
抜け毛に悩んだら、正確な原因を知るために一度病院へ行ってみるのも一つの方法です。
対策は人それぞれ
抜け毛が多いと感じたら、まずは病院へ行ってみることをおすすめします。
抜け毛といってもAGAやFAGAによるもの、円形脱毛症などの脱毛症によるものなど原因はさまざまです。
人それぞれ抜け毛が多い原因は違っていて、原因が違えば対策方法も異なります。
自己診断するよりも病院で診てもらう方が正確であるため、病院で診断を受ければより適切な抜け毛対策を行なうことができます。
脱毛症には適切な治療が必要
AGAやほかの脱毛症による抜け毛を防ぐには、適切な治療を受けることが大切です。
AGAの場合、病院で処方されるAGA治療薬で抜け毛や薄毛の改善が期待できます。
AGA専門クリニックなどで処方される薬は、主に3種類あります。
一つはミノキシジル外用療法と呼ばれる薬で、ミノキシジルには髪の毛の成長を促したり、頭皮の血行を促進する作用があります。
もう一つはフィナステリド内服療法、デュタステリド内服療法と呼ばれるものです。
フィナステリドとデュタステリドは、AGAの原因であるジヒドロテストステロンの生成を抑える働きを持っています。
ジヒドロテストステロンによって乱れた毛周期を正常にすることで、AGAの治療に効果を発揮する成分です。
フィナステリドは医薬品名であるプロペシアとして、デュタステリドはザガーロとして多くの病院で処方されています。
AGAなどの脱毛症による抜け毛は、適切な治療をすることによって改善することがあります。
一人で悩まず、まずはAGA専門クリニックなどで相談してみましょう。