
2018年04月03日 更新
育毛トニックはハゲてからじゃ遅い? 育毛トニックを使い始めるタイミング
ドラッグストアでも簡単に手に入る育毛トニック。しかし、「実際、育毛トニックって効果あるの?」「育毛トニックってハゲてからでも効果あるの?」など、疑問に思っている人も少なくないのではないでしょうか。今回のAGA+では、そんな育毛トニックに関する本当の話をご紹介します。
育毛トニックについて

そもそも「“育毛トニック”と“育毛剤”の違いがあまりわからない」という人も多いのではないかと思います。
まずは、簡単に育毛トニックと育毛剤の違いについて見ていきましょう。
“育毛トニック”と“育毛剤”の違いは?
育毛トニックは、正式には「ヘアトニック」と呼び、育毛トニックという言葉はメーカーの作った造語だと言われています。
まず育毛トニックは、頭皮から出る臭いやフケを防いだり、頭皮の痒み・炎症を抑えたりなど、頭皮環境を整えるためのアイテムで、
髪の毛を新しく生やす効果はありません。
育毛トニックと呼ばれる商品のおよそ8~9割は、アルコールと水で構成されており、そこに血行促進や抗炎症作用のある成分が少し配分されている程度です。
ドラッグストアなどで市販されている医薬部外品の育毛剤も同様で、地肌の保湿や髪の毛のケアといった、頭皮環境を健康に保つためのもの。
一方、AGAクリニックなどで処方される「ミノキシジル外用薬」といった育毛剤は、抜け毛を未然に防ぎ、髪の毛の成長を促進させることを目的としており、科学的に効果が認められた育毛成分が配合されています。
よって、育毛トニック・医薬部外品の育毛剤・医薬品、この3つの中で髪の毛を生やす効果が認められているのは医薬品のみ。
育毛トニックや市販されている育毛剤は、あくまで育毛に適した頭皮環境を作ることを目的としている、ということです。
育毛トニックを使い始めるタイミングは?
ほとんどのドラッグストアで販売されていて、手頃な値段で手に入る育毛トニック。
その手軽さから、薄毛が気になる人なら一度は手に取ったことがあるのではないでしょうか。
ここで疑問に思うのが、育毛トニックを使うタイミング。
髪が薄くなってきてから使うものなのか、薄くなる前に予防として使うものなのか、どの段階が最適なのでしょう。
結論を言えば、薄毛が進行しているのなら育毛トニックでは間に合いません。
薄毛を解消してヘア充になりたいのなら、AGA専門のクリニックに行き、診察を受けましょう。
育毛トニックで髪の毛は生えない
先で述べたように、AGA(男性型脱毛症)を育毛トニックのみで改善させることは難しいです。
育毛トニックは、頭皮環境の改善を目指すものであり、AGAのような男性ホルモンの作用によって起こる脱毛症を完治させることはできません。
育毛トニックの主な効果は、血行促進や頭皮を清潔に保つこと。
「髪の毛を生やすもの」ではなく、育毛トニック=「髪の毛が抜けにくい頭皮環境を作るもの」という認識で使いましょう。
そして、冒頭で少し説明したように、育毛トニックの主成分は水とアルコールです。
ジェット噴射の刺激とアルコールの殺菌作用により、雑菌だけでなく頭皮のバリア機能まで破壊してしまうおそれがあります。
使い過ぎや、誤った方法での使用には注意しましょう。
育毛トニックの有効成分とその効果

育毛トニックが持つ効果について少し紹介しましたが、やはり育毛トニックに育毛を促す効果を期待してしまう人も多いと思います。
育毛トニックに含まれている成分と、その効果について詳しく見ていきましょう。
育毛トニックに含まれる主な成分
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血行促進が見込めるとされる成分
→酢酸dl-αトコフェノール、酢酸トコフェロール、ショウキョウ、ニンジン、ニコチン酸アミド、カッコンエキス -
保湿効果が見込めるとされる成分
→センブリ抽出液、センブリエキス、センブリ、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液、カッコンエキス -
抗炎症作用が見込めるとされる成分
→パントニールエチルエーテル、グリチルリチン酸2K、カッコンエキス -
毛母細胞の活性化が見込めるとされる成分
→パントニールエチルエーテル -
鎮静効果が見込めるとされる成分
→メントール -
浸透促進効果が見込めるとされる成分
→メントール、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール -
毛球を大きく育てるとされる成分
→t-フラバノン
科学的根拠のある有効成分は?
では、上記を踏まえ育毛トニックに含まれる有効成分の育毛・発毛効果についてみてみましょう。日本皮膚科学会と毛髪科学研究会(SHSR)が共で作成した男性型脱毛症診療ガイドラインによれば、5段階評価で部類分けしたときに上記成分の中で「t-フラバノン」が唯一ランクC1に記載されています。
「男性型脱毛症診療ガイドライン」におけるAGA治療法の推奨ランク
- ランクA(行うよう強く薦められる)→男性のフィナステリド・ミノキシジル外用薬の服用
-
ランクB(行うよう薦められる
→自毛植毛 -
ランクC1(行うことを考慮してもよいが根拠がない)
→塩化カルプロニウムやt-ブラバノンなどの服用・育毛剤の外用ランク -
C2(根拠がないので薦められない)
→セファランチンの服用ランク -
D(行わないよう薦められる)
→女性のフィナステリド・ミノキシジル外用や人工植毛
すなわち、育毛トニックには抜け毛を予防したり、頭皮環境を整える見込みはあるかも知れませんが、育毛を促す効果については科学的根拠に乏しいと言えます。
「男性型脱毛症診療ガイドライン」について、より詳しく知りたい人はこちら。 【ハゲ薄毛】結局何が効果的? 科学的根拠のあるAGA治療はこれだ
ヘア充になるには? 本当の話はAGA治療の専門病院で

今回は、育毛トニックの効果について説明しました。
どうやら育毛トニックには頭皮環境の改善にはある程度効果がありそうですが、根本的な薄毛やハゲの改善は望めそうにありません。
今薄毛やハゲで悩んでいるのなら、科学的根拠が不確かな育毛トニックに頼るのではなく、薄毛やAGAを専門とする医師の診察を受けましょう。
本気で薄毛を治したいのであれば、市販されている育毛トニックに頼るのではなく、AGA専門クリニックで一度診察を受けてみてはいかがでしょう?
AGA専門クリニックでの診察が、確実な薄毛・抜け毛の改善=ヘア充につながります。