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2019年02月14日 更新
[医師監修]植毛の効果、手術方法、費用についてわかりやすく解説します
監修医師
この記事は、医師の監修を受けています。
アイランドタワークリニック 新宿院
坂本有孝 院長
2000年久留米大学医学部卒業。大学病院にて勤務したのち、2009年に自毛植毛専門クリニック「アイランドタワークリニック」へ。その後、同クリニックの福岡院院長を経て、2013年に現在の新宿院院長へ就任。日本形成外科学会認定専門医。
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「植毛」とは?
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植毛治療は、自分の髪の毛を使って行われる「自毛植毛」が一般的な治療法です。
ここでは自毛植毛がどのように行われているのか、詳しく解説します。
「自毛植毛」は自分の髪を移植する
植毛は、自分の髪を使って行われます。
実際に移植されるのは、髪の毛の成長に関わっている「毛包」と呼ばれる器官。
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自毛植毛は、薄毛の影響が少ない側頭部や後頭部などの髪の毛を、毛根ごと髪の薄い場所へ新たに植え付けるという治療法です。
自分の髪の毛を移植するため、生着率(定着率)が高く、副作用などの弊害がほとんどないというメリットがあります。
さらに、この自毛植毛は、ドナーとなる毛包の採取法によって大きく2つに分けられます。
-
FUT法
メスを使って毛包を頭皮ごと採取する方法 -
FUE法
特殊な器具を使って毛包を1つずつ採取する方法
1つは「FUT法」と呼ばれるもので、メスを使って頭皮を帯状に切り取り、そこにある毛包をひとつひとつに切り分けて移植株を作る方法。
一度に多くの毛包を採取できる一方、皮膚の広い範囲を切開するため、傷口が目立ちやすいというデメリットがあります。
もう1つは「FUE法」と呼ばれ、メスではなく直径1ミリほどのパンチを使用し、毛包を1つずつ採取するという方法。
傷跡が目立ちにくいのがメリットですが、毛包を1つずつ採取するため、FUT法と比べると難しいようです。
「人工毛植毛」は治療ではない
植毛には、自毛植毛のほかに「人工毛植毛」という方法もあります。
この人工毛植毛は、ポリエステルや化学繊維などでできた人工の髪の毛を、頭皮に移植する手法。
人工で作られた毛を植えるため、毛量や色・毛の細さなどを自分で設定できる上、ドナーとなる髪の毛を採取する必要がありません。
しかし、化学繊維から作られた髪の毛によって身体が拒絶反応を起こしたり、思わぬ副作用が現れる危険性もあるため、アメリカの一部の州では行うこと自体が禁止されています。
日本皮膚科学会が作成している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」においても、治療として行うべきではないとされている手法です。
そのため、現在国内ではほとんど行われていない方法であるため、もし人工毛植毛に興味のある人は、信頼できる医師に直接相談するとよいでしょう。
植毛はAGA(男性型脱毛症)やその他の薄毛に効果的なのか
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植毛治療(自毛植毛)は、現在多くのクリニックで行われている治療法です。
では、自毛植毛はAGAやその他の薄毛に対して、十分な治療効果を発揮するのでしょうか?
植毛によるAGA治療の有効性は、日本皮膚科学会が作成した「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」に記載があります。
ここからは、このガイドラインをもとに、AGA治療における自毛植毛の有効性について見ていきます。
まずは「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」について詳しく知りたい!という人はこちら
【2017年版】薄毛治療を正しく理解したいならこれ! 「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」
自毛植毛によるAGA治療は、行うよう勧められている
先に説明したガイドラインは、AGA治療の治療法ごとにその有効性をA・B・C1・C2・Dの順で評価するもの。
自毛植毛によるAGA治療は、ガイドラインにおいて男性には推奨度B(行うよう勧める)の治療法、女性の場合は推奨度C1(行ってもよい)の治療法とされています。
ただし、ここで注意したいのは、植毛治療はAGA自体を治療するものではないという点。
AGAの原因は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の影響です。
移植された髪の毛はAGAによる脱毛の影響を受けませんが、施術後に一切のAGA対策を行わないとなると、植毛した場所以外から薄毛が進行してしまう可能性があります。
● 医師コメント
AGAによる薄毛の場合は、自毛植毛を受けた後も、投薬治療を行うことを推奨しています。
人工毛植毛は、治療として行うべきではない
AGA治療の治療法ごとにその有効性をA・B・C1・C2・Dの順で評価しているガイドラインですが、その中で人工毛植毛は推奨度D(行うべきではない)とされています。
これは先ほど説明した、化学繊維製の人工毛によって拒絶反応が起こったり、思わぬ副作用が出現する危険性があるため。
事実、この人工毛植毛では多くの有害事象が報告されており、アメリカの食品医薬品局(FDA)では人工毛自体を有害器具に指定しています。
植毛にかかる費用って、だいたいどのくらい?
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自毛植毛の費用
自毛植毛にかかる費用は、移植するグラフト数によって算出され、移植するグラフト(毛包)の数によって変わります。
例えば、1グラフトあたり約1,000〜2,000円だとすると、1000グラフト分の植毛を行った場合、およそ100〜200万円ほどの費用がかかる計算です。
ただし、FUE法を用いて1グラフトあたり1,000円以下で植毛が受けられるクリニックもあります。
このように、植毛の方法や植毛する面積、クリニックによって費用が大きく異なるため、まずは一度クリニックで治療費について相談してみるとよいでしょう。
自毛植毛の費用(一例)
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クリニックAの場合(FUE法)
1000グラフト:880,000円 -
クリニックBの場合
1000グラフト:1,188,000円(FUE法)
1000グラフト:864,000円(FUT法)
※ 枠内すべて税込み価格
ちなみに人工植毛の費用は、植毛する範囲にもよりますが、50〜100万円程度。
ただし定期的なメンテナンスが必要となり、結果的に自毛植毛を上回る費用がかかるおそれがあります。
植毛には入院が必要?
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宿泊できるプランを用意しているクリニックもありますが、日帰り可能な場合がほとんど。
手術の所要時間は、3〜7時間程度、ほぼ半日としているクリニックが多いようです。
ただし、希望する移植株数や施術方法などによって異なるため、カウンセリングの際に手術時間をクリニック側に確認するといいでしょう。
また、血液検査の結果を見てからというクリニックもあるため、カウンセリングを受けた当日そのまま施術できない場合があります。
即日手術を受けたいか、手術前にきちんと検査をしてほしいか、こうした点も自分に合ったクリニックを選ぶ上で大切なポイントになりそうです。
植毛以外のAGA治療法って?
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自毛植毛によるAGA治療は、有効とされる治療法の1つですが、他にもAGA治療に勧められている治療法があります。
ここからは、自毛植毛以外のAGA治療法について見ていきましょう。
最も有効とされているのはAGA治療薬による投薬治療
現在、最も有効とされているAGA治療は、AGA治療薬による投薬治療。
ガイドラインでは、ミノキシジル外用療法・フィナステリド内服療法・デュタステリド内服療法が推奨度A(行うよう強く勧める)のAGA治療として紹介されています。
しかし、これらのAGA治療薬は体質や体調によっては副作用が現れる危険性があったり、人によっては治療効果が得られない場合も。
AGA治療薬を服用する際は、病院で診察を受けた上で、医師の適切な判断を仰ぐようにしましょう。
AGA治療薬について
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ミノキシジル外用薬
【効果】主に血行促進による発毛効果を発揮する
【副作用】かゆみ、かぶれ、発疹、低血圧など -
フィナステリド
【効果】ジヒドロテストステロンの生成を抑制し、脱毛の進行を抑制する
【副作用】性欲の減退、男性機能障害など -
デュタステリド
【効果】ジヒドロテストステロンの生成を抑制し、脱毛の進行を抑制する
【副作用】性欲の減退、男性機能障害など
「AGA治療薬」についてもっと詳しく知りたい人はこちら
[薬剤師監修]ハゲは薬で治療できます。厚労省が認可した3つの「AGA治療薬」
植毛も投薬治療も、まずは病院で相談を
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AGA・その他の薄毛を改善する上で大切なのは、自分に合った治療を受けること
● 医師コメント
AGAによる薄毛を治したい場合、まずは投薬治療をおすすめしています。
しかしながら、中には効果が実感できない人もいるでしょう。そうした場合の次なる選択肢として、自毛植毛を推奨しています。
AGA治療を扱う多くのクリニックは、初回のカウンセリングが基本無料
薄毛を治すためには、自分に合った治療法を選択することが大切です。
薄毛を治したいと考えている人は、無料のカウンセリングを利用して、一度じっくり医師に相談してみるとよいでしょう。